平成28年度を迎えるにあたって「故郷を思う」

 皆さんは、槇原敬之さんの『遠く 遠く』と言う歌をご存じでしょうか。その歌詞の一部を紹介します。

遠く遠く離れていても僕のことがわかるように 力一杯輝ける日を
この街で迎えたい 僕の夢をかなえる場所はこの街と決めたから


といった部分があります。初めてこの歌を聴いた時、若者の故郷を思うけなげさや都会で志を遂げようとする必死さに熱い感情が込み上げてきたのをおぼえています。

 今年度生徒会は「自分たちの楽しみのために学校行事は行わない。二中を応援してくれる方々への感謝を表現する機会にしよう。私達に故郷を元気にする力があるのなら、それを故郷貢献として今二中生に出来る精一杯を持ち寄ろう。」と決めたのです。

 新聞に「帰郷を希望する二十歳の若者が大幅に減った。」との記事が載りました。しかし、二中生に限らず子どもたちは子どもたちなりに、自分を育ててくれた故郷の将来について真剣に考えています。故郷を愛するとは、地域の方々やその方々との日常と深く関わって生きるということです。二中生は故郷を愛する道を選び進んでいこうとしています。志に忠実に生きようとすれば、近い将来に止むを得ず故郷を離れることがあるかもしれません。しかし、「二中魂」を背負った子どもたちにとってそれは故郷を捨てることではありませんし、もし都会で暮らす身になったとすれば心許なく簡単に志しを投げ出すことはないと信じます。二中生は、故郷にあっては故郷を支える人となり故郷を離れても故郷のためを願い行動する人になると信じています。

 
 
能代第二中学校は、卒業生1万8千名を超える伝統校です。先輩から後輩へと「二中魂」を営々とつないできた伝統校です。「二中魂」とは、変わらず他人の幸いを願う心であり、よく変わるために高い志を持とうとする心のことです。校門の近くの「友愛の像」の座像は、真理や信念の変わらぬ姿を。立像は環境の動きを積極的に捉えよりよく変わろうとする姿を表現したものです。
『遠く 遠く』の歌詞の中には 〜 大事なのは変わっていくことと 変わらずにいること 〜 という部分があります。私がこの歌に惹かれるもう一つの理由は、「二中魂」と「友愛の像」にぴったりと重なり合う部分があるからです。

 平成28年度を迎えるにあたっては生徒のこうした思いがあり、その思いの実現を支え励ますことができるようにと言うのが二中教職員の共通の願いです。温かいご声援やアドバイスが数多く寄せられることを期待し、ご挨拶といたします。
                      
                                平成28年9月4日

も ど る

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